記事:令和元年12月16日

― 農機のトラブルについて専門家のお話 ―
ガソリンは劣化する

永く放置していた農機のタンクの様子を覗いた時、すえたニオイがしませんか? ピンク色だったはずのガソリンが、茶色になっていませんか? もしそうだとしたら、その燃料は腐っています。
ガソリンは大きく分けると、一般自動車ガソリンと蒸留ガソリンがあります。昔のガソリンはすべて、原油から蒸留された純度の高い質の良い蒸留ガソリンで、変質することはなかったようです。
しかし今の自動車ガソリンは化学合成で作られた、タールや不純物が多い粗悪なもので、半年もすれば劣化する。空気に触れて酸化して腐ってしまうそうです。
結果、キャブレターが詰まり、プラグが汚れて点火できずエンジンがかからなくなったりします。かかったとしてもエンジンの吹けが悪くなります。

市販の混合燃料は蒸留ガソリン

ホームセンター等で市販されている混合燃料は蒸留ガソリンで、こちらは開封して1年以上、保管が可能。

残った燃料は密閉して酸化を防止

長期間使用しない場合、原則はエンジンの燃料を抜き、キャブレターも抜く。市販の混合燃料は腐らないが、キャブレターの中が詰まると心配なので、抜いた方が無難。
抜いた後のガソリンや混合燃料は正しく保管しましょう。酸化の原因は空気です。ガソリンの携行缶などに満タンになるように入れ、空気に極力触れないように密閉することが大切です。